料金設定には様々な要因があり、同じ「インプラント治療」といっても腕や設備、こだわりやサービスなどに大きく差があります。治療費が「妥当である」「妥当でない」などという「相場」というものは本来ありません。
それでは 歯科医は どんなふうに治療費設定をしているのでしょうか?
大方は 地域の趨勢をみて妥当な設定を行うようですが原価の5-6倍というのが 歯科医の言う「常識的な線」だと思います。3倍以下では、商売として成り立たないと一般社会でもいわれています。いくら医療といっても、医院の経営が成り立たなくては、医院自体の存在が危ぶまれます。

現在医院使用しているノーベルバイオケア製のスピーディーリプレイス、テーパードグルービーは、原価 50,110円~53,100円(外税)ですから(50,110円~53,100円)x(5~6倍)=250,500円~318,600円更に 消費税5%を加え263,025円~334,530円となります。
業界の常識から言うと この程度の治療費設定は当たり前だということになるのです。さらに、原価としてアバットメント代、技工代、金属代などがかかってしまいます。ネットを見ると「15万程度の格安インプラント」などとノタマウ歯科医がおりますが、その裏には、原価の安いインプラントという暗黙の了解事項が存在しているわけです。

私たちには、「安くて良いものを」という感覚(経験)があります。そのため、「安いインプラントはいい」「高いインプラントはダメ」と言われると、妙に説得力があります。しかし、「安くて良いインプラント」は可能でしょうか。高額な治療費を支払って、失敗している人も多いのに、費用を下げると、さらに条件が悪くなるのではないでしょうか。
あなたの健康な歯はただで生えてきてくれたはずです。しかし、100万円もらえたとしても抜くことはできないはずです。 つまり、健康はタダなのではなくプライスレス(値が付けられないほど高い価値があるもの)なのです。
実際、インプラントの変化は日進月歩で、その研修会費用は1回で3万~50万円ぐらいします。また、海外で研修を受ける際には、旅費も必要になります。インプラントの道具は特殊なものが多く、非常に高価です(数万円~0千万円)。それに、人材育成も必要です。それと、失敗への備え(予備にインプラントを埋入するとか)も必要で、フォローアップしていく費用(インプラントのトラブルは1年以内に起きやすい)も余分に必要です。1本15万円でするなら、やらない方がましです。患者さんにもいずれ迷惑がかかることになるでしょう。本当に必要なのは「施術経験の多い歯科医師」「インプラント歯科に必要な設備や体制が整っている医院」ではないでしょうか。

インプラントの治療費用は各施設でかなり大きく異なります。 実際インプラント自体で3倍以上もの原材料価格差があります。
そのうえで、術前のシミュレーションをどこまで精密に行うか、手術や診療時のスタッフがどれだけ充実しているか、どのレベルまで器材をディスポーザブル(使い捨て)で使用するか、さらには立地や設備などの良し悪しなど様々な理由で、治療費用が異なるのが基本的な経済の原理原則です。
インプラント自体はあくまで物でしかありません。 しかし、あなたの大切な体と一体化する人工臓器です。 長期にわたりあなた自身の歯と同じようにしっかり咬めて、かつ美しさを保ち続けられるような治療を行うためには、豊かな経験に裏打ちされた深い審美眼と卓越した技術が必要です。 高度なインプラントの技術を身につけるには高額な費用がかかります。技術の高い先生はそれだけ時間的経済的コストを支払って修得します。当然治療費はその分高くなります。
高い治療費の施設は優れた器材・設備・スタッフが充実しているうえに、歯科医師の技術がそれだけ素晴らしい可能性が高いです。安ければやはりそれなりなのではないでしょうか。
工業製品を買うならば、どこで買っても同じです。同じなら少しでも安い方がいいでしょう。 しかし、インプラントは単なる商品の販売ではありません。今から未来にかけてあなた自身へ直接行われる行為の技術料です。 インプラントの治療費用は言ってみればあなた自身の価値なのです。 あなた自身の価値は安いよりも高い方がよいのではありませんか。
つまり、インプラントは決して消費なのではなく、あなたへの投資なのです。












